ぐりまの読書日記

読書が好きです。本の感想など。

2019-01-01から1年間の記事一覧

『りかさん』梨木香歩 感想

あらすじ縁あって、おばあちゃんのおうちからようこのもとへやってきた市松人形、「りかさん」は、とても気立てのいいお人形だった。ようことお話もできるし、かしこくてやさしいし、ほかの人形に込められた思いを写し出して、こじれた思いを解決してあげる…

十二国記『白銀の墟 玄の月』小野不由美 感想 ~辻村深月さん「十二国記と私(小説新潮)」についても※オマケ~

ついに戴国のお話に結着がついた…!!とにかく結末が気になって、とばし読みで一通りは読んだものの、まだ気持ちが十二国記の世界から戻りきれてない。 まだじっくり読んだわけじゃないので、読み返せばもっと感じることはあるんだろうけど、 自分の中でも整…

『いつかの岸辺に跳ねていく』加納朋子 感想

あらすじ 護(まもる)の幼なじみ平石徹子は、昔から少し変わった行動をする子だった。見知らぬおばあさんに突然抱きついたり、授業中に急に涙を流したり。自分のおかしな行動の理由を決して人には話さない徹子だが、彼女が誰にでも公平で優しい心を持ってい…

『いまさら翼といわれても』米澤穂信 感想

古典部シリーズ6冊目。短編集。 主な時間軸は、奉太郎達が高校2年生の5月から6月、7月ごろ。 あとがきで作者は「本書に収録されている短編は、どれも、いつかは書かれねばならなかったもの」と述べている。 「箱の中の欠落」 ある夜、奉太郎は里志に突然…

『図書館の魔女』高田大介 感想

あらすじ 鍛冶の里に育った少年キリヒトは、師匠の命を受けて、東西の文物が集まる都、一ノ谷に赴く。そこには、王宮の奥にひっそりと、古来からの書物を集積した図書館が聳えていた。この図書館の主として、司書ハルカゼ、軍師キリンと共に、幾多の書物を自…

じわじわ怖い『残穢』小野不由美

あらすじホラー小説家である「私」は、かつて著作のあとがきで、怖い話を募集していた。そのため、今でも「私」のもとには、ときおり読者からの怪談が届く。 ある日、読者の「久保さん」から届いた一通の手紙には、こんなことが書かれていた。「住んでいるマ…

何気なくて小さくて貴いもの~「風信」(十二国記『丕緒の鳥』)感想~

あらすじ 慶国の動乱により、家族を全て失った少女、蓮花は、故郷を追われ隣国へ逃げる道すがら、景王舒覚の死を知る。帰る場所を失い、空っぽになった彼女がそのまま留まった町、摂養では、候風という浮き世離れした研究者達が、ひたすらに暦を作って生活し…

「円紫さんと私」と私~『六の宮の姫君』北村薫 感想~

※記事のなかで、 小説の主人公:〈私〉 この記事の筆者のこと:私 と表記しています。 わかりにくいですが悪しからず。あらすじ 大学四年生になった〈私〉は、出版社でアルバイトを始めた。そこで出会った文豪から、芥川龍之介が、自作『六の宮の姫君』につ…

『発現』阿部智里さんの新ジャンル

先日「王様のブランチ」で紹介されていた、阿部智里さんの新刊、『発現』。 気になって、早速読んでみた。阿部智里さんといえば、言わずと知れた人気ファンタジー、「八咫烏シリーズ」の作者である。 『RDG』シリーズのスピンオフ作品の解説の中で、「荻原規…

『日日是好日~「お茶」が教えてくれた15のしあわせ~』森下典子 感想

私は「茶道」をやったことがない。 今のところ、習う予定もない。 だから、「茶道」というものがどんな ものなのか、ほとんど知識が無い。 お作法とかが面倒くさそう、というのと、お金持ちのお嬢様や奥様がする習い事、みたいなイメージくらいは、辛うじて…